MS&ADシステムズでは、社員の安全と健康を確保し、社員が心身ともに健康でいきいきと働くことが、当社の持続的成長と企業価値向上を支える経営基盤であると考えています。
社員が働きがい・やりがいをもっていきいきと働けるよう、社員とその家族の心身の健康の保持・増進と、安全に配慮した働きやすい職場環境づくりに取り組みます。
また、働き方の多様化に向け、在宅勤務時のコミュニケーション強化等の各種施策を継続的に進め、心身の健康保持・増進を支援します。
これらの取組を、パートナー会社の健康経営取組の支援等にも広げていきます。
そして、多様な社員全員、およびパートナー会社社員が、ともに成長し活躍することによって、社会との共通価値を創造していきます。
健康経営宣言

代表取締役社長 津田 卓也

経済産業省 日本健康会議
社員の健康保持・増進に関する様々な取組が評価され、経済産業省および日本健康会議が策定している「健康経営優良法人2023(ホワイト500※)」に認定されました。健康経営優良法人認定は6年連続となります。
※特に優良な健康経営を実践している健康経営優良法人の内、上位500法人が「ホワイト500」 として認定されます。
パートナーシップ構築宣言
MS&ADホールディングスでは、サプライチェーンの取引先等と連携・共存共栄するためのパートナーシップを構築し、健康経営に関する取組も進めることを宣言しました。この宣言に基づき、当社を含むグループ会社全体で取組を推進します。
健康経営推進体制
健康管理推進室を事務局とし、産業医・看護職、労働組合、社内関連部署、従業員代表者などのメンバーから構成される、「健康経営推進会議」を定期的に開催しています。
「健康経営推進会議」で策定される取組計画は当社経営会議での議題となっており、重要な位置付けにあります。

健康保持・増進強化策
健康経営戦略マップ
当社にて健康習慣(※)がプレゼンティーイズムに与える影響を分析した結果、健康習慣が多いほど、業務遂行能力や生産性が高まる傾向があることが分かりました。
※健康度と有意に関連しているとした習慣で、守ることによって病気の予防、健康の保持・増進になるとされています。
【健康習慣と仕事の評価の相関関係】

☆:5つの健康習慣のうち実践している数
①運動習慣あり ②タバコを吸わない ③睡眠7時間以上 ④BMI18.5以上25未満 ⑤高ストレスではない
自身の仕事の評価:病気やけががないときに発揮できる仕事の出来を100%として、過去4週間の自身の仕事を評価したもの
この結果に基づき、当社の健康経営の課題とそれを解決する実行策を整理した健康経営戦略マップを作成しています。
【健康経営戦略マップ】

社員の健康を確保するため、「生活習慣の改善」「働き方改革」「エンゲージメント向上」「感染症防止対策」の4つを健康投資の対象となる重点取組とし、主な指標を設定し取組を進めています。各施策の合計投資額は約3,700万円です。
生活習慣の改善
取組内容
主に身体の健康保持・増進を図る取組です。当社は未病の段階から生活習慣の改善を行うため様々な支援策を提供しています。
主な項目 | 取組内容 |
---|---|
定期健康診断実施 | 定期健康診断受診勧奨、二次健康診断受診勧奨、特定保健指導を実施します。健康診断結果から特定保健指導の対象になった社員に対し、看護職が計画的に保健指導を実施しています。 |
禁煙支援 | 毎月22日を「スワンデー」とし、就業時間内禁煙の推奨、喫煙者へ案内メールを送信する等の取組を行っています。また、禁煙プログラム費用補助制度を用意し、禁煙の動機付けを行っています。 |
ボッチャ大会 | コミュニケ―ションの輪を広げるため、会社主催イベントを開催しています。3年ぶりの社内交流イベントとしてボッチャ大会を開催しました。 |
ウォーキングキャンペーン | 運動とコミュニケーションの機会創出のため「ウォーキングキャンペーン」を年2回実施しています。2022年度のウォーキングキャンペーンでは、参加した社員のうち7割以上の運動量が増加する効果がありました。 |
マッサージルームでの リフレッシュ |
社内マッサージルームを設置し、「はり師、きゆう師、あん摩マッサージ指圧師」の国家資格をもつヘルスキーパーによるマッサージ施術やセルフケア指導、健康へのアドバイスを実施しています。また、対面でストレッチ講習会を開催するとともに、在宅勤務でも短時間で視聴できるセルフケア動画を作成し、配信しています。 |
企業内カフェによる リフレッシュ |
ストレス緩和、生産性向上のため、ワゴンサービスでハンドドリップコーヒーを販売しています。社内に漂うコーヒーの香りはストレスを軽減させる「リラックス効果」や、「集中力」の向上につながっています。 |
生活習慣の記録 | 健康アプリ「ココカラダイアリー」を導入し、社員に提供しています。ストレス状態や歩数の測定、食事の記録、医療情報の提供など、多彩なメニューで毎日のココロとカラダの健康づくりをサポートしています。 |
健康情報発信 | 健康リテラシー向上のため「衛生委員会だより」を発行しています。「マッサージルームだより」、「Café便り」など健康に役立つ情報を提供しています。また、看護職から禁煙を促すスワンデーメールや健康情報メールを発信しています。 |
女性の健康に関する セミナーの実施 |
女性が健康に働き続けられるよう、女性の健康に関するセミナーを実施しています。男女問わず参加者を募り、女性の健康課題への理解促進を進めています。 【開催例】 2022年度:「健やかに更年期を迎えるための健康セミナー」 2021年度:「働く女性のライフステージと健康セミナー」 |
治療と仕事の両立支援 | 適切な治療を受けながら働き続けることができるよう、勤務時間の短縮措置等の両立支援策を実施しています。 |





実績
健康診断は労働安全衛生法に基づき実施し、定期健康診断受診率は100%を継続しています。一方、傷病発見の可能性がある二次健康診断受診率は60%台で推移しており、70%を目標に受診勧奨を進めました。その結果、2022年度は71%を達成しました。
年度 | 定期健康診断受診率(%) | 二次健康診断受診率(%) |
---|---|---|
2016年度 | 100 | 62.3 |
2017年度 | 100 | 71.1 |
2018年度 | 100 | 64.8 |
2019年度 | 100 | 62.0 |
2020年度 | 100 | 64.8 |
2021年度 | 100 | 65.6 |
2022年度 | 100 | 71.1 |
年2回実施しているウォーキングキャンペーンには多くの社員が参加し、運動不足解消に効果を発揮しています。
年度 | ウォーキングキャンペーン参加率(%) | |
---|---|---|
チーム戦 | 個人戦 | |
2018年度 | 14.6 | 17.3 |
2019年度 | コロナにより中止 | |
2020年度 | 12.2 | 20.1 |
2021年度 | 29.0 | 25.8 |
2022年度 | 24.8 | 24.5 |
喫煙は生活習慣病や癌・脳卒中リスクが高いため、社員の健康保持増進の観点から受動喫煙防止・禁煙取組を推進しています。
40歳以上の喫煙率は、2020年度は20.5%でした。スワンデーの設定と禁煙促進メールの発信、禁煙プログラム費用補助、特定保健指導による個別禁煙指導等を実施した結果、2022年度は17.6%となり、減少傾向にあります。喫煙率を一層低下させるため、2023年度は喫煙者と卒煙者にアンケートを実施し、分析を行いました。この結果から、禁煙プログラム費用補助制度を活用した卒煙チャレンジ企画の実施、卒煙者からの応援メッセージの定期発信、ニコチンガムの配布など新たな取組を開始しています。なお、2022年度の全年齢の喫煙率は12.7%です。

<卒煙者100人アンケート結果>
- 5年以上喫煙していた社員が9割ですが、喫煙期間が長くても卒煙できています。
- 5割の社員が禁煙取組後3か月以内に喫煙欲求がなくなっています。
- 8割の社員が卒煙してから5年以上禁煙を継続しています。
また、そのうち2割がコロナ期間に卒煙しています。



働き方改革
取組内容
主に心の健康保持・増進を図る取組です。長時間労働はメンタルヘルス不調の大きな要因の一つと捉え、総労働時間の削減に取り組み、休暇取得も推進しています。また、メンタルヘルス対策として一次予防(ストレスチェック等)、二次予防(長時間勤務者への産業医面接指導等)、三次予防(職場復帰支援等)を実施し、セルフケア・ラインケアにも取り組んでいます。
主な項目 | 取組内容 |
---|---|
総労働時間削減取組 | 社員が働きやすい制度と働きやすい環境作りで総労働時間の削減に取り組んでいます。 会社主導の取組として、在宅勤務と出社をバランスよく取り入れたハイブリッドワークの導入、働きやすい環境整備(オフィス改革)、会議・メールの削減、ルールの見直し、マニュアル削減を推進しています。 また、職場主導の取組として「ゆとり創造取組」を行っています。職場の全員が参加する「ゆとり創造ミーティング」を全ての職場で開催し、問題点を共有します。全員のアイデアで業務効率化、業務プロセスの改善、特定の社員への業務集中の回避、繁閑時期の平準化等に向けて目標を立て取り組んでいます。創出した時間で早帰りや休暇を取得し、心身のゆとりを生み出して自己研鑽につなげています。 |
有給休暇取得取組 | 年度初めに計画的に休暇取得することを周知し、年間20日の休暇取得を目標に全ての部署で「年間休暇取得計画表」を作成しています。ワークライフバランスおよび健康確保の観点から、業務の段取りを考えメンバー間で日程を調整し、計画どおり取得できるよう取り組んでいます。また、期中の取得状況を職場上司にフィードバックし、完全取得に向けた取組を推進しています。 |
長時間勤務者削減取組 | 長時間勤務社員を把握し、産業医による健康状態の確認や健康面におけるアドバイス等を行っています。必要な場合は残業時間の制限や休暇取得の指示などの健康確保措置を講じています。また、看護職による個別相談を実施しています。 |
ストレスチェック | 「労働安全衛生法」に基づき、メンタルヘルス不調の一次予防および、職場環境改善を目的に毎年ストレスチェックを実施しています。実施後、高ストレスと判断された社員には産業医面接を実施し、健康状態の確認や健康確保措置を行います。また、組織分析を行い、結果を所属長にフィードバックします。特に改善が必要な職場は外部機関の支援による改善取組を実施しています。 |
新入社員への情報提供、 フォロー |
新入社員を対象に「健康管理研修」「メンタルヘルス研修」「心理的安全性コミュニケーション研修」を実施しています。また、入社3か月後にセルフケア情報と相談窓口を案内しています。さらに入社6か月後には看護職による全員面談を実施し、体調確認・健康診断結果のフィードバックを行っています。 |
健康相談 | 社内専門スタッフによるメンタルヘルス相談体制を整備しています。 また、外部機関によるメンタルヘルスカウンセリング、職場コンサルテーション、長期休務者の職場復帰支援を行っています。 |
メンタルヘルス研修 | 全社員を対象にeラーニングによるメンタルヘルス研修を実施しています。また、管理職を対象にラインケア研修を実施し、それぞれに必要なケアについて学ぶ機会を設けています。 これらに加え、2022年度からは外部専門機関による睡眠とマインドフルネスをテーマにしたメンタルヘルスセミナーを開催しています。 |
外部専門機関(アイエムエフ株式会社)によるメンタルヘルスセミナーの様子
実績
平均月間所定外労働時間は30時間台で推移しています。2023年度は総労働時間3%削減(2021年度比)を目標に取り組んでいます。また、平均年次有給休暇取得日数はコロナ前の20日以上の状態を目指し、取組を進めています。ストレスチェック受検率は90%台で推移しており、ストレス状況を把握するため、できるだけ多くの社員が受検するよう働きかけを行っています。毎年職場改善取組を進めていますが、コロナ対策で在宅勤務が増加し、運動不足やコミュニケーションが十分行えないこと等により、2022年度は高ストレス者が増加しました。 これを受け、新たに全社員向けメンタルヘルスセミナーや管理職向け研修を実施するなど対策を行っています。
年度 | 平均月間所定外労働時間(時間) | 平均年次有給休暇取得日数(日) |
---|---|---|
2016年度 | 38 | 22.0 |
2017年度 | 27 | 21.2 |
2018年度 | 38 | 22.0 |
2019年度 | 36 | 20.0 |
2020年度 | 36 | 15.8 |
2021年度 | 38 | 16.5 |
2022年度 | 38 | 17.3 |
年度 | ストレスチェック受検率(%) | 高ストレス者比率(%) |
---|---|---|
2016年度 | 91.1 | 17.0 |
2017年度 | 91.3 | 15.2 |
2018年度 | 93.8 | 16.7 |
2019年度 | 94.7 | 19.3 |
2020年度 | 94.5 | 14.4 |
2021年度 | 93.5 | 14.3 |
2022年度 | 95.4 | 16.6 |
エンゲージメント向上
取組内容
社員が仕事をする上で幸せを感じることが、会社と対等な関係を結び、エンゲージメントを高めることにつながります。社員が仕事上の幸せを感じるのは、①自分にとって価値があると感じられる仕事を、②自分らしく、③職場のメンバーと良い関係を築きながら実現できており、④そのための土台として心身の健康が備わっているときであると捉え、社員の幸せにつながる施策の充実を図っています。社員に対しこれらの施策の活用を促し、4つの要素を整える活動を進めています。
これらの取組を通じ、社員が仕事に「働きがい」「やりがい」を感じ、熱心に取り組み、活力を得ていきいきとしている状態にあることを目指します。
なお、社員がいきいきと取り組むことはストレスの低減にもつながります。

主な項目 | 取組内容 |
---|---|
経営フランクミーティング | 経営と社員が直接対話し、価値観を共有する機会として、経営フランクミーティングを実施しています。社員にとっては経営層の言葉を直接聞き、直接意見を伝えられる場であるとともに、普段は接点が少ない階層・年代の異なる他部署のメンバーと交流する場であり、視野を広げる機会になっています。 実施時には企業内カフェのコーヒーを提供し、リラックスした雰囲気の中で対話しています。 |
目標チャレンジ面接・ キャリア面接実施 |
年間複数回の目標チャレンジ面接・キャリア面接を実施しています。部下が自らのキャリアと年間の業務目標を考え、上司と話し合いを行います。上司は部下に経営方針や各組織の業務計画の趣旨・目的を説明し、各自が担うべき役割・期待を伝えています。面接で十分なコミュニケーションを取り、上司は部下の心身の健康状態が健全に保たれているかも合わせて確認しています。 |
1on1ミーティング | 上司・部下のコミュニケーションの強化、円滑化を目的に1対1の面接を実施しています。心身の健康状態、日頃の取組への感謝、職場や業務での悩み、長時間勤務になっていないか、などについて対話します。 |
チーム・バリュー | 職場メンバー同士の少人数チームで、各メンバーの日頃の取組に対して互いにアドバイスや感謝を伝えあう、対話形式の「チーム・バリュー」を新設しました。 |
メンター制度 | 所属部署の上司とは別に仕事上の利害関係がない他部署の先輩社員(メンター)が相談者(メンティ)と向き合い、相談にのり、キャリア形成・促進を支援します。社員同士のつながりを広め、アドバイスを受けることが成長のきっかけとなり、コミュニケーションの活性化にもつながっています。 |
実績
MS&ADグループの社員意識調査を指標としています。6点満点の評価基準で、当社の結果はグループ会社平均と同水準です。今後は測定精度を上げるため、国際基準と比較可能な指標の使用を検討します。
年度 | MS&ADグループ共通社員意識調査結果 |
---|---|
2016年度 | ― |
2017年度 | ― |
2018年度 | 4.6 |
2019年度 | 4.5 |
2020年度 | 4.6 |
2021年度 | 4.6 |
2022年度 | 4.6 |
感染症防止対策
取組内容
社員の安心安全を確保する取組です。毎年の季節性インフルエンザ予防接種を実施しています。
主な項目 | 取組内容 |
---|---|
職域接種の実施 | 感染予防のためインフルエンザワクチンの職域接種を実施しています。 2022年度は新型コロナワクチンの職域接種を実施。対象者を当社社員およびその家族だけでなく、パートナー会社社員およびその家族にも広げました。 |
労働安全衛生の強化
取組内容
当社では衛生委員会において、職場の安全確保と社員の健康保持・増進につながる取組を協議、実行しています。職場巡視を行い、職場の危険個所を発見次第、速やかに改善を図っています。職場からの改善要望についても毎月の衛生委員会で確認・対応を行っています。
また、各事業所においては消防計画に基づき定期的に防災訓練を実施し、地震・火災などの災害発生に備えています。加えて災害発生時の安否確認訓練を定期的に実施しています。
健康に関する数値の推移と取組実績(一覧)
主な重要指標と目標値を健康経営指標のとおり設定し、毎年の取組結果に基づき次年度の取組を見直していきます。今後は取組の進捗や環境の変化を踏まえ、適宜目標値を見直していきます。